第34回気象予報士試験 一般問10


問10:
温室効果気体の増加による地球温暖化について述べた次の文(a)〜(d) の正誤について,下記の(1)〜(5)の中から正しいものを一つ選べ。

(a) 地表面を覆う雪や氷の面積が減少すると,地表面の受け取る正味の短波放射量は減少する。

(b) 20 世紀における海面水位の上昇は,主に氷床と氷河の融解による。

(c) 地球温暖化が進んでも,大気中の平均水蒸気量は変化しない。

(d) 地球温暖化の結果,多くの地域では降水の強度が弱くなると予測されている。

  (1)  (a) のみ正しい
  (2)  (b) のみ正しい
  (3)  (c) のみ正しい
  (4)  (d) のみ正しい
  (5)  すべて誤り

解説:
(a)は「誤」 短波放射量は減少する ⇒ 短波放射量は増加する
 雪や氷のように地球表面で電磁波(光)を反射する物質が減少すると、アルベド(反射率)が減少するので、地球が吸収する短波放射量(太陽放射)は増加することになる。

(b)は「誤」 主に氷床と氷河の融解による ⇒ 主に海水の体積膨張と低緯度の氷河の融解による  「一般気象学【第2版】」の277ページ参照
  『氷床』とは、地下深くにある氷塊のことであり、まだ地球温暖化の影響は少ない。

(c)は「誤」 大気中の平均水蒸気量は変化しない ⇒ 大気中の平均水蒸気量は増加する
 空気中の水蒸気量は、温度に依存する関数であり、平均気温が高くなれば増加する。

(d)は「誤」 降水の強度が弱くなると予測 ⇒ 降水の強度が強くなると予測
 大気中の水蒸気量の増加に伴って、降水強度は強くなるとみられている。
 下の図は、世界の年間降水量の変異だが、近年は温暖化に伴って増加していると判断されている。


正解は選択肢(5)である。

 (2013/06/18)

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