第36回気象予報士試験 一般問2


問2:
湿潤空気塊の水蒸気量に関する物理量について述べた次の文 (a)〜(c) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。
(a) 空気塊の圧力が同じであれば,比湿がより大きい空気塊の方が露点温度は高い。
(b) 空気塊の温度が同じであれば,混合比がより大きい空気塊の方が仮温度は高い。
(c) 空気塊の湿球温度は常に露点温度より低い。


(a)  (b) (c)
   (1)  正  正  誤
   (2)  正  誤  正
   (3)  誤  誤  正
   (4)  誤  正  誤
   (5)  誤  誤  誤

解説:
(a)は「正」
露点温度が高いほど相対湿度は高い。
比湿とは、〔水蒸気質量/(乾燥空気質量+水蒸気質量)〕なので、比湿が大きければ相対湿度も高いので設問は「正」である。「金剛に水なし、比湿に湿あり」も参考にしてね。
  「一般気象学【第2版】」の62ページ参照

(b)は「正」
仮温度Tv、実際の温度T,混合比wの関係は次の式で表される。
   Tv=(1+0.61w)T
混合比wが大きければ、Tvは僅かだが大きくなる。
 仮温度Tvとは、混合比wを持つ湿潤空気と同圧・同容積の乾燥大気が持つべき仮想的な温度である。
wが0.03を越すことはあまりないので、通常は湿潤大気に対しても乾燥大気の状態方程式を用いても大差ない。
  「一般気象学【第2版】」の62ページ参照

(c)は「誤」
湿球温度と露点の関係は、次の図で確認しよう。
通常は湿球温度は、気温と露点の間にあるので、設問は「誤」。
飽和しているときには、気温と湿球温度と露点がすべて同じ温度になる。


正解は選択肢(1)である。
(2013/04/03)

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