第36回気象予報士試験 一般問9
問9:
温帯低気圧の構造やエネルギーについて述べた次の文 (a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。
(a) 温帯低気圧は,大気中に水蒸気が存在しないと発生しない。
(b) 温帯低気圧は,熱を南北に輸送することにより南北温度差を弱める。
(c) 発達期にある温帯低気圧においては,対応する気圧の谷の西側に上昇気流,東側に下降気流がある。
(d) 発達期にある温帯低気圧においては,南北の熱輸送のため上空にいくほど気圧の谷の軸が東に傾いている。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
正 |
正 |
(2) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
誤 |
(4) |
誤 |
正 |
誤 |
誤 |
(5) |
誤 |
誤 |
正 |
正 |
解説:
(a)は
「誤」
「
大気中に水蒸気が存在しないと発生しない」→水蒸気の有無に関係なく、傾圧不安定波によって発生する
「一般気象学【第2版】」の187ページ参照
(b)は
「正」
問題文通り
「一般気象学【第2版】」の188ページ参照
(c)は
「誤」
温帯低気圧の基本中の基本である。
「気圧の谷の西側に
上昇気流,東側に
下降気流」→「気圧の谷の西側に
下降気流,東側に
上昇気流」
「一般気象学【第2版】」の189ページ参照
(d)は
「誤」
これも基本中の基本だ。これを間違えるようじゃ、基礎からやり直した方がよい。
「気圧の谷の軸が
東に傾いている」→「気圧の谷の軸が
西に傾いている」
「一般気象学【第2版】」の183ページ参照
一番悩むのが(b)だろう。
でも、比較的簡単な(a)(c)(d)をしっかり押さえていれば、(b)は自動的に決まる。
正解は選択肢(4)である。
(2013/04/03)
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