第36回気象予報士試験 一般問10
問10:
海陸風について述べた次の文章の下線部 (a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。
晴天時の日中には,日射による加熱の効果の違いによって陸上の下層の気温が海上の下層の気温より高くなり,海から陸に向かって海風が吹く。(a)
海陸風はメソγスケールの現象であり,海風の到達距離は海岸線から最大で 10km以下である。海風が吹くときには (b)
陸上で上昇した気流は周囲の空気塊を押し上げて断熱冷却し,ある高さより上の層では陸上の気温の方が海上の気温よりも低くなる。このため,この高さでは (c)
陸上の方が気圧が低くなって,海側に向かって反流が吹く。(d)
反流の高さは 3〜5km 程度である。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
正 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
正 |
(3) |
誤 |
正 |
誤 |
誤 |
(4) |
誤 |
誤 |
正 |
誤 |
(5) |
誤 |
誤 |
誤 |
正 |
解説:
(a)は
「誤」
「海岸線から
最大で 10km以下である」→「海岸線から
10〜100kmである」
「一般気象学【第2版】」の243ページ参照
(b)は
「正」
問題文通りで正しい。
「一般気象学【第2版】」の243ページ参照
(c)は
「誤」
「陸上の方が気圧が
低くなって」→「陸上の方が気圧が
高くなって」
平均気温が低くなると、空気の密度が大きくなり重くなる。空気の重さが気圧なので結果的に気圧が高くなる。
前述の
問8と同じ理屈である。
「一般気象学【第2版】」の243ページ参照
(d)は
「誤」
「反流の高さは
3〜5km 程度である」→「反流の高さは
600〜1000m 程度である」
「一般気象学【第2版】」の243ページの図参照
正解は選択肢(3)である。
(2013/04/03)
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