第38再気象予報士試験 一般問1


問1:
大気の温度の高度分布について述べた次の文 (a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 対流圏では大気が上下によく混合されており,平均的に高度が 1km 高くなる毎に約 6.5℃の割合で気温が低下する。
(b) 成層圏上部で高度と共に気温が高くなっているのは,オゾンによる地球放射の吸収のためである。
(c) 成層圏では,高度が高いほど気温が高く,安定な成層をしているため,大気の上下運動は起こらない。
(d) 中間圏では,短波の吸収による加熱がないため,高度が高いほど気温が低くなっている。

 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  誤  誤
   (2)  正  誤  正  誤
   (3)  正  誤  誤  正
   (4)  誤  正  正  誤
   (5)  誤  誤  正  正

解説:
(a)乾燥大気の気温減率は約10℃/kmで湿潤大気で約4.5℃/km、平均的に6.5℃とされているので「正」
  「一般気象学【第2版】」の21ページ参照
(b)「オゾンによる地球放射の吸収」ではなく「オゾンが太陽からの紫外線を吸収する」からである。「誤」
  「一般気象学【第2版】」の24ページ参照
(c)成層圏では、ブリューワドブソン循環(下図)によって、上下運動が起こっているから「誤」
 

 (a)  (b)  (c)  (d)
 (1)  正    誤  誤
 (2)  正  誤    誤
 (3)  正  誤  誤  正
 (4)    正    誤
 (5)    誤    正
ここまでの答えで、選択肢は(3)に限定されているので、(d)は「正」でなければならない。
順番に解いたので(d)が残ったが、(a)〜(d)のどれでも一つが分からなくても、選択肢(3)が決まってしまう。
(d)「短波の吸収による加熱がないため」という理屈が見つからなかったが、「波長の短い紫外線が熱圏で吸収されてなくなり、中間圏に達しないから」という表現はみつけた。ともかく答えは「正」
正解は、選択肢(3)である。


(2013/03/12)

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