第38再気象予報士試験 一般問5
問5:
太陽放射 ( 短波放射 ) について述べた次の文 (a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記(1)〜(2)の中から一つ選べ。
(a) 地球の公転軌道は楕円で,近日点は 1 月初めにある。地球の自転軸は公転面に対して傾いているため,1 年を通して受ける太陽放射エネルギーの総量は,南半球の方が北半球よりも多い。
(b) 太陽放射エネルギーのスペクトルのピークは紫外線域にある。
(c) 地表面における太陽放射エネルギーのスペクトルの強度が大気上端におけるそれよりも全体として弱くなっているのは,主に成層圏の大気に含まれるオゾンによって吸収されるからである。
(d) 雲は太陽放射を反射して地表面の冷却に寄与する一方で,赤外線を吸収・射出することにより地表面を保温する効果を合わせ持っている。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
誤 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(4) |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
(5) |
誤 |
誤 |
正 |
正 |
解説:
(a)地球の公転軌道を大げさに書けば下図のようである。
太陽面の角度が高い南半球が受けるエネルギー量は北半球よりも多い。だがその差は僅かである。
「正」
(b)「スペクトルピークは
紫外線領域にある」は誤りで「(太陽放射)全放射エネルギーの大部分は
可視光領域にある」なので
「誤」
「一般気象学【第2版】」の9ページ参照
(c)「
成層圏の大気に含まれるオゾンによって吸収される」は誤りで「大気中にある
雲やエーロゾルで吸収・拡散されたり、大気の
気体分子で散乱されたり」なので
「誤」
「一般気象学【第2版】」の117ページ参照
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
誤 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(4) |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
(5) |
誤 |
誤 |
正 |
正 |
実は、この問題も最終設問を待たずして、選択肢が決まってしまったので、(d)は「正」でなければならない。
(d)問題文は正しいので当然「
正」
(a)(d)もしくは(b)(c)または(c)(d)に絶対の自信があれば、他の二つは分からなくても答えられる。
正解は
、選択肢(3)「正誤誤正」である。
(2013/06/12)
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