第38再気象予報士試験 一般問9


問9:
大気境界層内の風について述べた次の文 (a)〜(c) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 陸上と海上の大気境界層内の風の強さを同一高度で比較すると,水平方向の気圧傾度が同じであれば,海上の方が強い。
(b) 大気境界層内では夜間には成層が安定して高い高度の風の影響が地上に到達しやすいため,水平方向の気圧傾度が同じであれば,地上付近の風は,夜間の方が日中よりも強くなる。
(c) 大気境界層内の水平面内の風は,気圧傾度力,遠心力および摩擦力の三つの力がほぼ釣り合うように吹く。

 (a)  (b)  (c)
  (1)  正  正  誤
  (2)  正  誤  正
  (3)  正  誤  誤
  (4)  誤  正  正
  (5)  誤  正  誤

解説:
まず「大気境界層」とは、地表面の摩擦の影響が無視できない地表付近の大気のことを言う。
その高さは、高度1000m近くまで及ぶ。
結果を見ると、(b)(c)が分かれば、(a)は知らなくても答えが決まる。

(a) 海上のほうが凹凸がなく摩擦が少ないので、当然海の方が風が強くなるので、「正」
(b) 海風と陸風を比較すると、海風の方が強い。
 海風は内陸の数十キロまで及ぶが、陸風は洋上10キロ程度である。
 海風は明け方、陸風は日没辺りに吹くので、夜間よりも日中の方が強い。よって「誤」
  「一般気象学【第2版】」の242ページ参照。
(c) こんな図を見たことがあるだろう。

地表付近の風の力のバランスを表現したもので、気圧傾度力、摩擦力、コリオリ力の三つの力がほぼ釣り合う様子を示した図だ。問題では「コリオリ力」がないので「誤」
問題文にある「遠心力」は、地衡風の解析に出てくる要素であり、地上付近では大きな作用はしない。
  「一般気象学【第2版】」の142、147ページ参照。
正解は、選択肢(3)「正誤誤」である。
  (2013/06/12)

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