第38再気象予報士試験 一般問10


問10:
成層圏のオゾンについて述べた次の文 (a) 〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 成層圏のオゾンは,酸素分子が太陽紫外線で光解離してできた酸素原子を元にして生成される。
(b) 成層圏で最も温度が高い層の高度は,大気を加熱する効果を持つオゾンの数密度が最も大きい高度と一致する。
(c) 大気中に含まれるオゾンを鉛直方向に積算して求めたオゾン全量の分布を緯度別および季節別にみると,高緯度域の春に極大を示す。
(d) 成層圏のオゾンは,夏半球の高緯度から低緯度に向かう流れによって低緯度地方に輸送される。

 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  正  誤
   (2)  正  誤  正  誤
   (3)  正  誤  誤  正
   (4)  誤  正  正  正
   (5)  誤  正  誤  正

解説:
(a) 問題文通りで「正」
  第39回一般知識の問1で「光電離」を選択する問題があったが、あれは、熱圏の場合であり、成層圏では「光解離」である。
  「一般気象学【第2版】」の25、33ページ参照。
(b) これはよく出題される有名な話題なので、理屈抜きに知識として知っているべきだ。

図で示すように、成層圏で気温が最も高いのは50km付近であるのに対して、オゾン層は25km付近なので、一致しない。ゆえに「誤」
  「一般気象学【第2版】」の26ページ参照。

(c) 問題文の通りで、オゾン極大は北極や南極に近い高緯度である。しかも極大は日射量の多い夏季ではなくて北半球なら3月、南半球ならば10月という春である。よって「正」
  「一般気象学【第2版】」の28ページ参照。
またしても、この段階で選択肢が(2)に決まってしまったので、(d)は「誤」でなければならない。
どうも今回は、勝手に決まる選択肢が多いなぁ。
(a)(c)または(b)(c)もしくは(b)(d)の二つが分かれば、他は分からなくてもよい。

 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  正  誤
   (2)  正  誤  正  誤
   (3)  正  誤  誤  正
   (4)  誤  正  正  正
   (5)  誤  正  誤  正
(d) オゾンは、低緯度で多く作られて高緯度地方(北極・南極)に運ばれるのは、むしろ常識として知っているべきだ。答えは「誤」
  「一般気象学【第2版】」の28ページ参照。
正解は、選択肢(2)「正誤正誤」である。
  (2013/06/12)

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