第38再気象予報士試験 一般問11


問11:
太平洋赤道域の海面水温が変動する現象について述べた次の文章の空欄 (a) 〜 (d)に入る語句の組み合わせとして正しいものを,下記の@?Dの中から一つ選べ。

太平洋赤道域の大気下層では,平均的に見ると (a) よりの風が吹いている。この風と地球の自転の効果によって (b) が起こり,東部太平洋域では表層下の冷たい海水が海面付近に現れる。(c) 現象が起きるとこの (a) 風が弱まり東部太平洋域の海面水温が上昇する。こうした海面水温の変化に対応して,大気の対流活動の活発な領域が (d) に移動する。

 (a)   (b)   (c)   (d)
(1)  東  沿岸湧昇  ラニーニャ  東から西
(2)  西  赤道沈降  エルニーニョ  西から東
(3)  東  赤道湧昇  エルニーニョ  西から東
(4)  西  赤道湧昇  ラニーニャ  東から西
(5)  東  赤道沈降  エルニーニョ  東から西

解説:
最初に、(b)の用語を見ておこう。
気象用語で、「赤道沈降」などとは聞いたことがないので、除外する。
また、「赤道湧昇」と「沿岸湧昇」を図示すると、下図のようなイメージである。
 (イメージ図であり、学術的には問題があるかもしれないので、あまり広めないでください)

沿岸湧昇は、局地的な現象であり、エルニーニョやラニーニョのような大きな現象には関与しない。
すると、(b)は「赤道湧昇」に絞られる。

 (a)   (b)   (c)   (d)
 (1)  東  沿岸湧昇  ラニーニャ  東から西
 (2)  西  赤道沈降  エルニーニョ  西から東
 (3)  東  赤道湧昇  エルニーニョ  西から東
 (4)  西  赤道湧昇  ラニーニャ  東から西
 (5)  東  赤道沈降  エルニーニョ  東から西
残された選択肢の(3)(4)を選べばよいのだから、楽勝だ。
(a)「東風」・「西風」、(c)「エルニーニョ」・「ラニーニャ」、(d)「西から東」・「東から西」
この8個の選択肢の中から、どれか一つでも確信が持てれば、答えが出てしまう。

(a)は、赤道湧昇の方向を考えれば、簡単に東風だと分かるだろう。
(c)は、言わずもがなで「エルニーニョ」である。
 エルニーニョとラニーニャの区別がつかない人は、もう一度参考書を見直すべきだ。
(d)は、エルニーニョの代表的な現象であり「西から東」に移動するものである。

  「一般気象学【第2版】」の150、288ページ参照。
正解は、選択肢(3)「東、赤道湧昇、エルニーニョ、西から東」である。
  (2013/06/12)

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