第39回気象予報士試験 一般問2


問2:
地表から高度300mまで一様な霧が発生し、この霧粒の水の量を雨に換算すると0.03mmである。
この層内の空気の地表面1m2あたりの質量を300kg、空気の低圧比熱を103J/(K・kg)、水蒸気の凝結の潜熱を2.5×106J/kg、水の密度を1000kg/m3としたとき、この霧の発生に伴う気温の上昇量は何℃か。
(原文を省略しており、マイナス1乗を表現しにくいので単位の表現も多少違います)

解説:
水の潜熱量と空気の熱量を比較する問題だ。
ごちゃごちゃといろいろ書いてるが、単位系を考慮しながら熱量を求めれば難しいことはない。
また、0.03mmと300kgで3が消えてしまうので、実質上の計算は桁数の調整だけになり、電卓は要らない。
(必要だといっても禁止だけどネ)
唯一ややこしいのは、0.03mmをmに換算するところかな。
それ以外は、ほとんど何もせずに、消し合っていくと解ける。
空気の昇温温度をA℃として、下図の関係を理解する。

上の図を見てもらえば一目瞭然だと思う。
絶対温度(K)を便宜的に(℃)で表し、地表面積1m3としてまとめた。

二つの総熱量を等しいとしてAを求めると、答えは0.25℃となり、解答選択肢の正解は(2)0.25℃である。
 
これらの物理量は単位が意味を持つと言われる。
例えば、水について考えてみると、与えられた因子として、潜熱[J/kg]がある。これに質量[kg]を掛ければ[kg]が消えて、熱量[J]が残ることが分かる。また、密度[kg/m3]体積[m3]を掛ければ、質量[kg]が残ることが分かる。まとめると、潜熱x密度x体積で熱量になることが自動的に浮き出てくる仕組みである。
空気側も同じように 質量[kg]x定圧比熱[J/(℃・kg)]x気温上昇[℃]で熱量[J]が浮かび上がる。
時間と緊張に迫られた試験会場で、このように冷静な判断ができるかどうかが問題である。

空気柱の高さ300mの条件を与えられたけど、使わなかった。
空気の密度を与えられたら、水と同じように質量の計算をするのだけれど、質量300kgと与えられたので使う必要がなかったから。
  (2013/06/12)

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