第35回気象予報士試験 実技1問1


第35回 気象予報士試験 実技1 問1
定番の天気図読みとり問題で、難しくはない。あわてて読み違えなければ、満点を狙いたい。
     丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに<1>の表示を使います。
問1(1)

<1>は単純に進行方向の矢印からで、「東北東」だ。
<2>は数字を読みとって「15]。ノットは付けてはいけない。問題文に書いてあるからダブってしまう。
<3>は半円の記号を見れば「温暖前線」だと分かる。
<4>は三角形の前線記号で「寒冷前線」と分かるはずだ。

<5>は、上の図で、赤い丸は地上の低気圧位置で、青いのが500hPaの低気圧位置だから、上空に向かって「北西」に傾いていると言える。

<6>上図で黄色でマークしたラインだが、わたしは「『極側』に盛り上がった」と答えたが、模範解答は「『北』に盛り上がった」だった。
気象用語では、しばしば「極側」「赤道側」という用語を使うので、おそらく間違いにはならないと思う。むしろ、場合によっては、「北」が間違いにされることがあるので注意したい。
要は、「北」という方角が重要なのか、地球的に見たときに「極側」なのか「赤道側」なのかが重要なのかが判断材料になるべきだ。
<7>は、<5>の条件と合わせて、迷うことなく「発達」しつつあることを示している。
この「発達」が理解できないようなら、勉強をやり直した方が良い。

<8>は一つ上の図に示した[GW]の意味を聞いている問題だが、「海上強風」警報だということはすぐに分かるだろう。
よくあるミスだが、「海上強風警報」と警報まで書くと失点になるので注意しよう。
<9>は、上の図から、矢印の方向を読んで「南」
<10>は数値を読んで「10」ノット。<2>と同じくノットやKTのような数子を書いてはいけない。

問1(2)

種類:
この画像を見て、雲の種類を書けと言われたら「積乱雲」しかないだろう。
まず、十種雲形を思い出してみよう。
 ・上層雲⇒巻雲、巻層雲、巻積雲
 ・中層雲⇒高層雲、高積雲、乱層雲
 ・下層雲⇒積雲、層雲、層積雲、積乱雲
この画像ほど真っ白だということは、雲頂高度が高いことを示している。
雲頂高度が高い雲は、上層雲なのだが、上層雲はもっと薄ぼんやりとした画像になる。
これだけ白くて固まっているのは、積乱雲しかない。
さらに、気象予報士試験に出る雲といえば、積乱雲が一番多いので、ここは迷うことなく「積乱雲」
雲域の形状と輝度温度
雲域の形状を問われたら、集中的に固まっていると答えたいが、試験用語で決まった表現がある。それは「団塊状」である。
輝度温度とは、明るさのことだが、白い(明るい)ほど「輝度温度が低い」という。
だから、二つをつなぎ合わせて、「団塊状で輝度温度が低い。」(12字)となったのだが、15字程度に合わせるために(非常に)をいれて、北上大の回答は
「団塊状で輝度温度が非常に低い。」(15字)とした。模範解答には(非常に)は入っていなかったが、ま、正解だろう。

問1(3)

<1>気温:6℃ 根室の気温は、上の図で丸で囲んだ数字だから、間違えることはないだろう。
  海面水温:4℃下の海水温の図を見ると、根室に接している線が4℃であることがわかる。

<2>分類:
霧の種類を問われているが、それぞれの霧の発生メカニズムを確認しておこう。
霧は発生メカニズムによって、5種類に分けられる。
 (a)放射霧:風のない明け方に放射冷却で冷えた地上に発生する
 (b)移流霧:暖かい空気が冷たい表面に移動して冷やされたときに発生する
 (c)蒸気霧(混合霧):吐く息が白い現象。湿った暖かい空気が冷たい空気と混合して発生する
 (d)前線霧:風呂場のシャワーの湯気。相対湿度が高いところに暖かい雨が落ちてきて過飽和になると発生する
 (e)上昇霧:山腹に沿って空気が上昇すると断熱膨張によって冷やされて、露点以下になると発生する
 ここで発生している霧は、着色して分かりやすくしたつもりだが、南方の暖かい海面から冷たい海面に矢印の風で空気が移動して冷やされたために、水蒸気が凝結して霧になったものだから、「b」移流霧である。
 消去法でもある程度分かる。海面なので(a)の放射冷却はないし、(e)の山腹もない。(d)の前線も解析されていない、となると、(b)移流霧か(c)蒸気霧が残る。どちらか良く考えよう。
発生要因:
上で書いたことを40字にまとめれば良いだけのこと。
北上大の答えは
「南方の暖かい空気が相対的に冷たい海域に移動して冷却されたために水蒸気が凝結した。」(40字)
模範解答は下にも書いたが、
「冷たい海面上に相対的に暖かく湿った空気が移動し,下から冷やされて飽和したため。」(39字)
似たようなことを書いているので、おそらく点数はもらえるだろう。
ここで大事な単語は、「相対的に」である。北上大は、「相対的に暖かい」と書き、模範解答では「相対的に冷たい」としているが、霧が発生する条件としては、気温が5℃以下のように数値で決まるわけではなく、両者を比較して暖かいか冷たいかで決まるのであるから、「相対的に」に類した用語は欠かせない。⇒これって、結構重要なポイントだよ。
(2013/06/26)

模範解答は以下の通り
(1)〔10 点〕
 <1>東北東 <2>15 <3>温暖 <4>寒冷 <5>北西 <6>北 <7>発達 <8>海上強風 <9>南  <10>10
(2)〔6 点〕
 種類:積乱雲
 雲域の形状と輝度温度:団塊状で,輝度温度が低い。(13 字 )
(3)〔10 点〕
 <1>気温:6 ℃ 海面水温:4 ℃
 <2>分類:b
    発生要因:冷たい海面上に相対的に暖かく湿った空気が移動し,下から冷やされて飽和したため。(39 字 )


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