第35回気象予報士試験 実技2問2


第35回 気象予報士試験 実技2 問2
     丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに<1>の表示を使います。
問2(1)<1>
24時間後(図7下)、36時間後(図8下)、48時間後(図9下)の低気圧の中心気圧を読み取れば良い。

低気圧の中心気圧は、一番内側の等圧線の値を読み取れば良い。
指定の低気圧の中心は、水色でマークした丸なので、中心に最も近い等圧線は、上から順に「1016」hPa、「1016」hPa、「1008」hPaである。
発達を始める時期:
1016(24hr)⇒1016(36hr)⇒1008(48hr)の変化なのだから、「36」時間後以降から発達を始めた。

問2(1)<2>領域:
24時間後までなら、時間的に真ん中の12時間後を見てみよう。

問題の低気圧は水色のマークだが、その周囲の風記号を矢印で風速(ノット)を数字で示した。
全体を眺めていると、オレンジの高気圧と水色の低気圧を結ぶ、薄いグリーンで描いた大きな風の流れが見えてくる。風速が大きい方角を探せば必然的に低気圧中心の「北」を選ぶことになるだろう。
もちろんこれで正解だが、その理由となると、どう説明するか。
理由:
高気圧と低気圧の関係をどう表現するかだが、北上大はこう書いた。
「北側にある高気圧から吹き出す風と低気圧性循環が重なるため。」(29字)
しかし、こういう場合に気象関係者が好んで使う言葉ある。このキーワードを書かないとまともな点数は貰えないかもしれない。
それは「〜〜傾度」である。気温傾度、相当温位傾度など、傾きの強さを示す言葉だが、ここでは、「気圧傾度」である。
以前にわたしが答えられなかった、第39回実技試験2問(5)でも同じような問題がある。
風が強まる理由を問われたら、まず最初に「気圧傾度が強まるから」を思い起こさなければならないようだ。模範解答は次の通り。
「三陸沖の高気圧とこの低気圧との間で気圧傾度が大きくなるから。」(30字)
「三陸沖の高気圧」は「北にある高気圧」でも構わないと思うが、「気圧傾度が大きくなる」は外せないところだ。 ← これ、大事な教訓だよ

問2(2)<1>24時間後:
500hPa のトラフは下図に青い二本線で示した。
ピンクとグリーンの丸は地上低気圧の位置。
5580mの等高線との交点は、東経「130」付近である。

問2(2)<1>36時間後:
同様に、下図の通り、5580m等高線は、東経「137」付近で交差する。


問2(2)<2>
問題文に必要な情報は、次の図にまとめた。
この図から、2つの情報を読み取れば良い。
   ・「トラフ付近の渦度の変化」と「低気圧の発生時期」との関係
   ・「トラフの位置」と「低気圧の発生位置」との関係

・「トラフ付近の渦度の変化」と「低気圧の発生時期」との関係
  地上低気圧が発生したときには、渦度が+118から+202に強まっている。
・「トラフの位置」と「低気圧の発生位置」との関係
  トラフの東側に低気圧が発生している
この二つのことを、35字にまとめれば良い。
ここまで情報が整理されれば、誰でも答えられるだろうが、天気図全体の中からここまで絞り込むことが、学習なのだろうと思う。
さて、北上大の解答は
「トラフ付近の渦度が急激に強まるときに、トラフの東側に低気圧が発生する。」(35字)
模範解答は
「トラフ付近の正渦度が強まったときに,その東側で低気圧が発生する。」(32字)
比較して、不足しているのは、渦度の「正負」を記載しなかったことかな。やはり、そんなに簡単なことではないようだ。

模範解答は以下の通り。
     丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに<1>の表示を使います。
問 2
 (1)〔10 点〕
<1> 発達を始める時期:36 時間後以降
<2> 領域:低気圧中心の 北 側
  理由:三陸沖の高気圧とこの低気圧との間で気圧傾度が大きくなるから。(30 字)
 (2)〔7 点〕
<1>24 時間後:東経 130 度  36 時間後:東経 137(136) 度
<2> トラフ付近の正渦度が強まったときに,その東側で低気圧が発生する。(32 字 )
(2013/07/02)

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