湿球温度が分かる
湿度計として乾湿計が使われている。
乾球で気温を測定して、ガーゼで包んだ湿球で湿球温度を測定する。こんな写真のもので、小学校の理科室にあるのではないだろうか。
気温と露点温度が分かれば、エマグラム上で湿球の温度を知ることが出来る。
(厳密いいうと、あまり性格ではないらしいが)
その手順は、次の通り。
点Aから乾燥断熱線に沿って上に持ち上げる。(赤いライン)
この空気塊が凝結しなければ、乾燥断熱線に沿って上昇するのだが、飽和に達したときに凝結する。
飽和に達するのは、点B(露点温度)から等飽和混合比線に沿って上昇したラインと交差するグリーンのポイントである。
このポイントを湿潤断熱線に沿ってもとの気圧(900hPa)まで下げると、その温度が湿球温度である。
乾湿計による相対湿度測定は、この流れの逆を行くことになる。
1)乾球温度が点Aとして18℃が計測されると、この点の飽和混合比 15(g/kg)が決定される。
2)湿球温度が点Cとして8℃が計測される。
3)気圧は、900hPaである。
4)点Aから乾燥断熱線に沿って斜め上方にラインを引く。
5)点Cから湿潤断熱線に沿って斜め上方にラインを引く。
6)二つのラインが交差するグリーンの点を探して、飽和混合比が5(g/kg)であることを読み取る。
7)点Aの飽和混合比が15で、実際の混合比が5なので、相対湿度は5/15=33%であると決定できる。
湿球温度を、1000hPaまでのばすと湿球温位になるのだが、それは次項で説明する。
(2013/03/11)
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