湿潤大気の風船


「風船はどこまで上がる」の項で、乾燥空気に関する安定と不安定の考え方を説明した。
ここでは、湿潤空気について考えてみよう。
前と同じように、超薄膜で張力も質量もない風船を仮定する。
今回は湿潤空気を対象とするので、風船内部で凝結して液体になった水は、ただちに風船の外側に出て行ってしまうという条件をつける。

大気が飽和している条件下で考えるのだが、乾燥空気の場合と同じで、気温が高ければ、比重が軽いので浮力を発生して風船は上昇する。
飽和している環境なので、上昇すると「湿潤断熱線」に沿って気温が下がる。
これの繰り返しだ。

上の図でいえば、地表面から700hPa付近までは、湿潤断熱線よりも大気の状態曲線が寝ているので、連続的に浮力を発生して、風船が上昇する。
しかし、700hPaより上層になると、風船の温度が大気温よりも低くなってしまうので上昇が止まる。
湿潤空気に対しては、地上から700hPaまでは大気が不安定であるといえる。
(2013/03/09)

読者の声:
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送