まっすぐ左に引いたら


エマグラムのグラフ上で、まっすぐ左に引っぱることは、気圧を変えないで、どんどん冷却する作用を意味している。
張力を持たないシャボン玉のような極薄の風船に空気を詰めて冷却した様子を図示するとこうなる。

圧力が一定の場合は、気体の体積は絶対温度に比例する。
これも、気体の状態方程式で説明できる。
pv=nRT というヤツだ。
pとnRが一定だから、v=Const×Tとなって、体積は絶対温度に比例するのだ。
上の図では、900hPaで、10℃の空気を冷却している。
10℃(283K)から-8℃(=265K)まで冷却したので、温度が6%下がった(265K/283K=94%)ので、体積も6%収縮する。(上の図の縮尺は大げさです)

風船の中の空気が、水蒸気を含まない乾燥空気であれば、温度が下がっても体積が小さくなるだけで他の変化は起きない。
しかし、水蒸気が含まれていると、だいぶ様子が変わってくる。
温度が下がると、空気中に存在できる水蒸気量が減る(飽和水蒸気圧の減少)ので、相対湿度が上昇するのだ。
さらに温度を下げてゆくと、空気中に存在できなくなった水蒸気が、水滴となって現れる。これを凝結という。
夏の暑い日に、氷水を入れたコップの周りに水滴がつく現象である。
凝結が始まるこの時の温度を「露点温度」という。

露点温度さえ分かってしまえば、こっちのもんだ。
何が「こっちのもの」なのかはともかく、湿度に関する情報が、圧倒的に多くなることは事実だ。
(2013/03/07)

読者の声:
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送