第37回気象予報士試験 実技1問2
第37回 気象予報士試験 実技1 問2
【解答】
茶色の文字は北上大の私的解答
青字は気象業務支援センターの解答例
問2(1)
ア:気圧
720hPa 気温
-12℃
イ:気圧
570hPa 気温
-30℃
問2(2)
名瀬
問2(3)
名瀬では逆転層高度が低いので雲頂高度が押さえらるため、積乱雲の発達が不十分である。(41字)
名瀬では、逆転層の高度が低く雲の発達が抑えられ、雲頂温度が発雷する温度まで低下しないため。(45字)
【感想など】
問2(1)
図4の逆転層の下端を読むだけの問題だ。
逆転層とは、上昇とともに低下するはずの気温が、逆に上昇している点だから、図示すれば次のようになる。
問2(2)
まず、図4の状態曲線から与えられる情報は、気圧と気温・露点温度だけであるから、風向は関係ない。
そういう観点で、[ア]と図4から読み取れる情報を整理すると、下図の温度情報になる。
左端が、問題の[ア]の状態図で、500hPaの気温が-21℃で、850hPaの気温が-4℃である。
右の図が、図2(上)500hPaと図2(下)850hPaの図に、鹿児島と名瀬の気温をマークした図である。
[ア]の気温近いのは、「鹿児島」ではなく
「名瀬」であることは、一目瞭然である。
問2(3)
この問題では、
・逆転層の高さの違いによる、雷発生のメカニズムを語らせようとしているのだろうと見当がつく。
・だから、「逆転層の高度が低い」には、必ず触れる。
・逆転層は大気が安定なので、対流雲が成長できない。
・下層が湿潤なので、逆転層の下端はほぼ雲頂高度に相当する。
・雷は、成長した積乱雲で発生するのだが、十分に成長できないのだから雷は発生しない。
こんな風に考えて、文章化したことは間違いではなかった。
しかし、雷を発生する温度
(低温)に触れることが解答要素の一つだとすれば、北上大の解答は、半分しか点数が貰えないだろう。
雷発生を
「発雷」という単語と、そのために
「温度が低下しなければならないこと」を知らなかったので、半分でも点数がもらえればラッキーという感じだ。
この問題の配点が6点なので、3点は失ったようだ。問2の得点は9点だな。
(2013/05/22)
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