第37回気象予報士試験 実技1問4


第37回 気象予報士試験 実技1 問4
【解答】茶色の文字は応援団長の私的解答
     青字は気象業務支援センターの解答例 

問4(1)
   九州北部より山陰の降水量が多い。(16字)
   山陰で多く、九州北部で少ない。(15字)

問4(2)
 九州北部は山陰より相当温位が低い領域であり、風向きは共に北西風である。(35字)
 相当温位は山陰では高いが九州北部では低く、風向きはともに北西である。(33字)

問3(3)

東経130度(九州北部)
東経133度(山陰)
700hPa鉛直流の向き
下降流 下降
上昇流 上昇
700hPa湿数
9
3
850hPa気温
-12
-8

問4(4)
 山陰では九州北部よりも低層の気温が高く湿潤であり、上昇流があるので降水量が多い。(40字)
 700hPaで湿数が小さく上昇流となっているため、山陰で降水量が多くなる。(37字)

問4(5)
 山陰では中国山地が北西風を阻んでいるのに対して、九州北部では山地が少なく関門海峡を寒気が吹き抜けているため。(54字)
 大陸から吹き出す乾燥した風が海上を吹走する距離が、山陰の方が九州北部よりも長いため、気団変質が進む。(51字)

問4(5)
    大雪  暴風暴風雪  なだれ波浪


【感想など】
問4(1)
 図8の山陰付近に、+44と降水量の極大値の表示があり、九州北部よりも降水量が多いのは明らかなので、この問題は簡単だ。 文章の表現は違うが、正解だと思う。

問4(2)は、次の図に示す状況をどう表現するかの問題だ。

 ・相当温位については、山陰がピンクで九州北部が青なので、山陰の相当温位が高いことは一目瞭然だ。
 ・風向は、山陰を濃い赤のラインで、九州北部を濃い青のラインで強調した。どちらもほぼ同じで、北西風である。
 この状況を表現すれば良いので、北上大の解答でも正解だろう。

問4(3)は、図10に加工した図で説明する。

図10の上で、高度700hPaにおける、九州北部にピンクの丸を、山陰にブルーの丸をつけた。それぞれの鉛直p速度は「20」と「-30」である。
 鉛直p速度が「正」なら下降流であり、「負」なら上昇流である。
 「鉛直流の向きを答えよ」の質問にどんな表現をすべきか迷った。「上向き」「下向き」と書くのが、最も素直だと思ったのだが、どうも学術的な感じがしない。そこで「上昇流」「下降流」としたのだが、模範解答は「上昇」「下降」だった。ま、上昇流でも点数はもらえると思う。
 10図の下〜読み取るのは、700hPaの湿数と850hPaの気温だが、九州北部は赤い線、山陰は青い線で示したとおりである。 なお、山陰の気温には数値がないが、温度間隔が4℃なので、-8℃は推定できるだろう。

問4(4)
 この問題は、完璧に外してしまった。零点ですね。
 中国山地と関門海峡の高さにこだわってしまったのだが、冬の日本海と来れば、「気団変質」が最も重要なキーワードなんだな。
 「気団変質」とは、しばしば出題される冬の日本海に限って言えば、大陸から吹き出しだシベリアからの乾燥した寒気が、温線のように暖かい日本海の海面を走るうちに、熱と水蒸気を十分に吸い込んで湿った状態に変化することを指す。しばしば、日本海に大雪を降らせる原因となる。 当然、海面を走る距離が長ければ、変質の度合いも大きいと言うわけだ。 
上図、問4(2)に示したグリーンの矢印が吹走ラインのモデルである。北九州では朝鮮半島から離れた寒気がすぐに北九州に到着するが、山陰に到達する寒気は、朝鮮半島の東沿岸を舐めるような風に乗って、長い距離を走ってくる間に、相当温位が上がっている様子が伺える。

問4(5)
 警報の種類は、「大雪警報」以外に何も思いつかなかった。 仕方なく「暴風警報」と「なだれ警報」を書いたが、ただ、解答欄を埋めただけのこと。 でも、「大雪警報」と「暴風雪警報」が両立するとは思わなかった。

結局、問4は、自己採点で32点中の21点となった。
(2013/05/23)

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