第38再気象予報士試験 実技1問3
第38回再試験 気象予報士試験 実技1 問3
【解答】
茶色の文字は北上大の私的解答
青字は気象業務支援センターの解答例
問3(1)気温
800hPa付近に前線に相当する逆転層がある。(23字)
800〜770hPa間に前線性の逆転層がある。(23字)
露点温度
全層に渡ってほぼ気温と同じであり、飽和している。(24字)
前線面およびその上下とも気温とほぼ同じで飽和している。(28字)
問3(2) 館野
-15℃ 浜松
-7℃
問3(3) 館野
10℃ 浜松
2℃
問3(4)
館野は大気が安定して連続性の降水だが、浜松は弱い雷雨の可能性もある。(34字)
浜松の方が館野よりも鉛直安定度が小さく、降水強度が強い。(28字)
【感想など】
問3(1)
「気温」については、逆転層をどう表現するかだけがポイントだろうな。
私は、
「800hPa付近に」と書いたが、模範解答では、より具体的に
「800〜770hPa間に」と表現している。
問題文を読み返してみると
「気温については気圧値を示して述べよ」とあるので、模範解答のほうがより良いのだろうな。
また、わたしは
「前線に相当する」と書いたが、模範解答では
「前線性の」となっている。
「前線に対応する」なら多少マシだったかもしれないが、これも模範解答のほうが専門用語っぽいな。
「露点温度」については、「全面飽和している」以外に書くことが無いのだが、文字数は30字と多い。
何を書いて、文字数を稼ぐか悩むところだ。
これも、問題文を読み返してみると
「前線と関連付けて」と指示されているので、わたしの
「全層に渡って」よりも
「前線面およびその上下とも」と書いたほうが、求められる回答に近いのだろう。
問題文を丁寧に読んで、何を求めているのかを正確に把握しなければならない。
(反省)
問3(2)
館野と浜松の作図の様子を次の図で示す。
いずれも、次の手順で作図した。
1) はじめに850hPaと500hPaも線をグリーンの線でマークする。
2) いずれも飽和しているので、850hPa から、湿潤断熱線に沿って850hPaから500hPaまで青い線を引く。
3) 500hPaからピンクの直線を下ろして、温度を読み取る。
上のから、館野は-15℃である。
(線の引き方で-14℃とも解釈できる)
上の図から「浜松」では、-7℃である。
(これも線の引き方によっては、-8℃とも読める)
問3(3) SSIは、実気温と上記の500hPaの気温読みとの差であるから、単純に計算出来る。
館野では、500hPaの気温(-5)-上記の読み(-15)=10℃
浜松では、500hPaの気温(-5)-上記の読み(-7)=2℃
(センターの模範解答では3℃だが、許容範囲だと思う)
問3(4)
SSI(ショワルター安定指数)が+10(大気安定)の館野と、SSIが+2(大気がやや不安定)の浜松との雨の降り方の比較を30字で書けという問題だ。
SSIの基本的な
作図方法はこちらに書いた。
SSIと言うと、雷雨との関係を想像してしまうので、わたしはこんな風に解答した。
「
館野は大気が安定して連続性の降水だが、浜松は弱い雷雨の可能性もある。」
これ自体は間違いではないはずだが、求められている正解かどうかは分からない。
模範解答は
「浜松の方が館野よりも鉛直安定度が小さく、降水強度が強い。」
となっているが、少しぼけているようなきがするなぁ。
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