第35回気象予報士試験 一般問1


問1:
大気が安定成層しているとき,気温,高度,風を等温位面上に描く等温位面解析について述べた次の文(1)〜(5)のうち,誤っているものを一つ選べ。ただし,水蒸気の影響は無視できるものとする。
 (1) 空気塊が断熱的な運動をするとき,その空気塊は同じ等温位面上にとどまる。
 (2) 大気の運動が断熱的に起きているとき,等温位面上で風が等高度線と平行に吹くときには上昇流や下降流はない。
 (3) 気温が水平方向に一様で,かつ逆転層や等温層がなければ,等温位面上では高度が高いところほど気温が低い。
 (4) 温位の値が小さい等温位面は地表面と交差することがある。
 (5) 等温位面上のある点の気温が既知であれば,その点の気圧を算出できる。
(問題原文に色文字はありません)

解説:
この問題では、水蒸気の影響を無視しているので、「湿潤断熱線」のことは考えずに、エマグラム上の「乾燥断熱線」だけを想定して考えればよい。

(1)は「正」
 断熱的な動きをするときは、「乾燥断熱線」に沿って動く。「乾燥断熱線」は等温位線である。
(2)は「誤」
  等高度線と等温位面が一致しているとは限らないので、上昇や下降が発生する可能性はある。
(3)は「正」
 「乾燥断熱線」が左に傾いていることを意味している。
(4)は「正」
 「乾燥断熱線」が、1000hPaより下まで続いていることを意味している。上の図で温位が330K以上の値が大きい「乾燥断熱線」は40℃の途中で切れている。地上気温が60℃や70℃ということはありえないので、値が大きい場合は地表面と交差することはない。
(5)は「正」
 「乾燥断熱線」は、気温と気圧をパラメータにしているので、気温が決まれば気圧も規定される。

したがって、誤っているのは選択肢(2)である。

   (2013/05/08)

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