第35回気象予報士試験 一般問14


問14:
気象業務法の規定について述べた次の文(a)〜(d) の正誤について,下記の(1)〜(5)の中から正しいものを一つ選べ。
 (a) 都道府県の機関が河川の管理を目的として設置した雨量計に,正当な理由なくして故意に覆いをかぶせる等,雨量計の効用を害する行為は禁じられている。
 (b) 気象の予報業務の許可を受けた事業者であっても,気象の警報をすることはできない。
 (c) 気象の予報業務について許可を受けた会社に雇われている気象予報士が,同社の業務として同社が許可を得ていない波浪の予報を行った場合,当該気象予報士のほか,法人としての会社も罰せられる。
 (d) 気象庁長官は,気象業務法の施行に必要な限度において,予報業務の許可を受けた者に対し,その者が行う予報業務に関して,報告させることができる。

 (1)  (a) のみ誤り
 (2)  (b) のみ誤り
 (3)  (c) のみ誤り
 (4)  (d) のみ誤り
 (5)  すべて正しい

解説:
気象業務法全文を参照のこと。

(a)は「正」
 気象機器への悪質ないたずらは、気象業務法37条で禁止されており、44条で懲役刑を含む厳しい罰則が定められている。
(気象測器等の保全)
第三十七条  何人も、正当な理由がないのに、気象庁若しくは第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測を行う者が屋外に設置する気象測器又は気象、地象(地震にあつては、地震動に限る。)、津波、高潮、波浪若しくは洪水についての警報の標識を壊し、移し、その他これらの気象測器又は標識の効用を害する行為をしてはならない

第四十四条  第三十七条の規定に違反した者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(b)は「正」
 気象庁長官以外の警報は、気象業務法23条で制限されており、違反者には46条で罰金刑が定められている。
(警報の制限)
第二十三条  気象庁以外の者は、気象、地震動、火山現象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしてはならない。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。  

第四十六条  次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一  第九条の規定に違反した者
二  第十七条第一項の規定に違反して許可を受けないで予報業務を行つた者
三  第十九条の規定に違反して認可を受けないで予報業務の目的又は範囲を変更した者
四  第十九条の三の規定に違反して気象予報士以外の者に現象の予想を行わせた者
五  第二十一条(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反した者
六  第二十三条の規定に違反して警報をした者
七  第二十六条第一項の規定に違反して許可を受けないで気象の観測の成果を発表する業務を行つた者

(c)は「正」
 気象業務法49条で、法人への罰金刑を定めている。
第四十六条  次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一  第九条の規定に違反した者
二  第十七条第一項の規定に違反して許可を受けないで予報業務を行つた者
三  第十九条の規定に違反して認可を受けないで予報業務の目的又は範囲を変更した者
四  第十九条の三の規定に違反して気象予報士以外の者に現象の予想を行わせた者
五  第二十一条(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反した者
六  第二十三条の規定に違反して警報をした者
七  第二十六条第一項の規定に違反して許可を受けないで気象の観測の成果を発表する業務を行つた者

第四十九条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、第四十四条、第四十六条又は第四十七条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する

(d)は「正」
41条により、報告を求めることが出来る。
(報告及び検査)
第四十一条  気象庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、第十七条第一項若しくは第二十六条第一項の規定により許可を受けた者又は第七条第一項の船舶に対し、それらの行う気象業務に関し、報告させることができる

したがって、正解は選択肢(5)である。

  (2013/05/21)

読者の声:
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送