第34回気象予報士試験 一般問6


問6:
北半球中緯度の偏西風帯中の傾圧不安定波の構造について述べた次の文章の空欄(a)〜(e) に入る適切な記号や語句の組み合わせを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

ア,イは傾圧不安定波の波動を模式化した500hPa 等圧面の平面図であり,実線は等高度線,破線は等温線を示している。この波動が発達中であるときの状況を正しく表しているのは(a) である。
ウ,エは同じく波動を模式化した東西方向の鉛直断面図であり,太い実線と細い実線は,それぞれ500hPa 等圧面の高度と700hPa 等圧面の高度を示している。この波動が発達中であるときの状況を正しく表しているのは(b)である。
500hPa 等圧面と700hPa 等圧面間の層厚が大きい所は小さい所よりも気層の平均気温が(c) ため,気圧の谷の東側では(d) 移流,西側では(e) 移流となって北向きの熱輸送が行われる。



(a )  (b) (c) (d) (e)
   (1)  ア  エ  高い 暖気 寒気
   (2)  ア  ウ  低い 寒気 暖気
   (3)  イ  エ  高い 寒気 暖気
   (4)  イ  ウ  低い 暖気 寒気
   (5)  イ  ウ  高い 暖気 寒気


解説:
温帯低気圧になる、発達中の傾圧不安定は、気圧の谷の東側が高温域で、高層と低層の気圧の谷の軸を結ぶと西に傾いている。
  「一般気象学【第2版】」の189ページ参照

(a)は「イ」 傾圧不安定のときには、気圧の谷の東が高温域で西が低温域である。
   問題の図にこんな風に色付けすれば、「イ」が正解であることは一目瞭然だろう。



(b)は「ウ」 上空の気圧の谷が西側にあり、低気圧の中心が西に傾いている。
  これも、高層と低層の気圧の谷を結んでみれば、西に傾いているのが「ウ」であることが分かる。


(c)は「高い」
平均気温が高いと空気の密度が小さくなり層厚が厚くなり、逆に平均気温が低ければ空気の密度が大きくなり層厚が詰まって薄くなる。
 分かりやすく色を付けてみた。


(d)は「暖気」
(e)は「寒気」

正解は選択肢(5)である。

  (2013/05/20)

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