第36回気象予報士試験 一般問1


問1:
図は,緯度線に沿って帯状平均した南北両半球の 6月〜8月の 3 か月平均気温の分布を,横軸に緯度,縦軸に高度をとって表したものである。この図について述べた次の文章の空欄 (a)〜(d) に入る適切な語句の組み合わせを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

この図の気温分布から,図の左半分が (a) であると考えられる。
対流圏内の気温の南北傾度は低緯度で小さく中緯度では大きく,温度風の関係から両半球とも中緯度では高度とともに (b) が増大している。
成層圏の高度 25km 以上では夏半球の極から冬半球の極に向かって気温が(c) くなっており,高度 20km 付近では冬半球の高緯度で気温の南北傾度が大きく (d) が強い。


 (a)   (b) (c)   (d)
   (1)  北半球  東風成分  高  東よりの風
   (2)  北半球  西風成分  低  西よりの風
   (3)  北半球  西風成分  高  東よりの風
   (4)  南半球  東風成分  低  西よりの風
   (5)  南半球  西風成分  高  東よりの風

解説:
(a)は「北半球」。
 問題の図から、25km上空の温度勾配を見ると、左側が高く右側が低いので、左が夏半球であると判断できる。6〜8月が夏であるのは、北半球である。
  「一般気象学【第2版】」の251ページ参照

(b)は「西風成分」
「温度の水平傾度があるために地衡風が高度とともに変化していることを温度風の関係という。北半球では高温の部分を右に見るように地衡風は高さと共に増大する。対流圏内では南北方向の温度傾度は中緯度に集中しているので、中緯度地帯の上空で偏西風が最大となるわけである」
  「一般気象学【第2版】」の146ページ参照

(c)は「低」
 上の図で示したように、左の夏半球の極から右側の冬半球の極に向かって気温が低下している。

(d)は「西よりの風」
 問題の図では右側の冬半球は南半球である。南半球では高温域を左手に見て地衡風が吹くので、西よりの風が強まる。
  「一般気象学【第2版】」の253ページ参照

したがって、正解は選択肢(2)である。
 (2013/04/03)

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