第36回気象予報士試験 一般問12
問12:
気象の予報業務の許可を受けた者が従わなければならない事項に関する次の文(a)〜(d) の正誤について,下記の(1)〜(5)の中から正しいものを一つ選べ。
(a) 観測データ等の予報資料の解析,現象の予想及び当該予想に関する解説の業務はすべて気象予報士に行わせなければならない。
(b) 行った予報の精度について年に 1 回検証を行い,その結果を気象庁長官に報告しなければならない。
(c) ある県の気象の予報業務の許可を受けている者が,新たに同県内の桜の開花予想を行う場合は,予報業務の範囲の変更にあたるため気象庁長官の認可を受けなければならない。
(d) 予報業務を廃止しようとする場合は,廃止予定日の 30 日前までに気象庁長官に届け出なければならない。
(1) (a) のみ正しい
(2) (b) のみ正しい
(3) (c) のみ正しい
(4) (d) のみ正しい
(5) すべて誤り
解説:
(a)は
「誤」
「当該
予想に関する解説の業務は」→「当該予報業務のうち
現象の予想については」
気象業務法へのリンク
(気象予報士に行わせなければならない業務)
第十九条の三 第十七条の規定により許可を受けた者は、当該予報業務のうち現象の予想については、気象予報士に行わせなければならない。 |
(b)は
「誤」
気象業務法施行規則のなかに、予報業務の記録を保存する規定はあるが、予報精度の報告義務は定められていない。
気象業務法施行規則へのリンク
(予報事項等の記録)
第十二条の二 法第十七条第一項 の規定により許可を受けた者は、予報業務を行つた場合は、事業所ごとに次に掲げる事項を記録し、かつ、その記録を二年間保存しなければならない。
一 予報事項の内容及び発表の時刻
二 予報事項(地震動及び火山現象の予報事項を除く。)に係る現象の予想を行つた気象予報士の氏名
三 気象庁の警報事項の利用者への伝達の状況(当該許可を受けた予報業務の目的及び範囲に係るものに限る。) |
(c)は
「誤」
「新たに同県内の
桜の開花予想を行う場合は,」
予報業務の制限項目の中に桜の開花予想は含まれていないので、許可を受ける必要はない。
気象業務法へのリンク
(予報業務の許可)
第十七条 気象庁以外の者が気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務(以下「予報業務」という。)を行おうとする場合は、気象庁長官の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、予報業務の目的及び範囲を定めて行う。 |
(d)は
「誤」
「廃止
予定日の30日前までに」→「廃止したときは、
その日から三十日以内に」
気象業務法へのリンク
(予報業務の休廃止)
第二十二条 第十七条の規定により許可を受けた者が予報業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。 |
確実な「正」を2つ見つければ選択肢は自動的に(5)になるが、(a)と(c)は比較的知られている「誤」なので、(b)(d)の勝負になるが分かるかな。
正解は選択肢(5)である。
(2013/04/03)
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