第37回気象予報士試験 一般問1
問1:
大気中のオゾンについて述べた次の文 (a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)中から一つ選べ。
(a) 成層圏オゾンの空間分布やその季節変動は,太陽放射の強さの時空間分布でほぼ説明できる。
(b) 成層圏の気温の鉛直分布は,オゾンの紫外線吸収による加熱と大気の長波放射による冷却の収支で近似的に説明できる。
(c) オゾンの数密度は,平均的に高度約 50km にある成層圏界面付近で最大となる。
(d)対流圏オゾンは,長波放射を吸収する温室効果をもつ気体の一つである。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
誤 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(4) |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
(5) |
誤 |
正 |
誤 |
正 |
解説:
(a)
「誤」 ある地点の高度のオゾン量はその場所の生成・消滅量だけでは決まらない。
「一般気象学【第2版】」の28ページ参照
ブリュワードブソン循環による大気の流れによって、オゾンは低緯度から高緯度に移動している。
(b)
「正」 オゾン吸収による気温上昇は、「一般気象学【第2版】」の26ページ参照
大気の長波放射による冷却は、「一般気象学【第2版】」の124ページ参照
長波放射は地球放射のこと、太陽放射は短波放射という。
(c)
「誤」これは有名だから知っているはずだ。「一般気象学【第2版】」の26ページ参照
ここまでで、選択肢(5)が決まってしまった。
(d)
「正」 オゾンは地球放射を吸収する気体の一つである。「一般気象学【第2版】」の123ページ参照
自然界に存在する吸収気体は、水蒸気・二酸化炭素・オゾンなど。
このほかに温暖化ガスとしてしばしば取り上げられるのが、メタン、亜酸化窒素、フロンなど。
この問題では(c)(d)は簡単に分かると思う。そうすると、
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
誤 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(4) |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
(5) |
誤 |
正 |
誤 |
正 |
(a)(b)のどちらか自信のありそうな方を選べば正解に達することが出来る。
正解は選択肢(5)である。
(2013/03/20)
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