第38回気象予報士試験 一般問4


問4:
雲粒や氷晶の生成と水滴の成長について述べた次の文(a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 吸湿性のエーロゾルは,半径が大きいほど雲粒生成のための凝結核として有効に働く。

(b) 水蒸気の凝結によって生成された水滴が拡散によって成長するときは,周囲の空気の過飽和度が同じであれば,水滴の半径が小さいほど一定時間内での半径の増加量が小さい。

(c) 0℃以下の温度では,氷晶に対する飽和水蒸気圧は,同程度の大きさをもつ水滴に対する飽和水蒸気圧よりも大きい。

(d) 凝結核となる微粒子を含まない過冷却水滴は,周囲の気温が-20℃まで低下すると自発的に凍結して氷晶となる。


 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  誤  誤
   (2)  正  誤  正  正
   (3)  正  誤  誤  誤
   (4)  誤  正  誤  正
   (5)  誤  誤  正  正


解説:
(a)は「正」
  問題の文章通りである。
  一般気象学には、その通りの表記はないが、エーロゾルの大きさが重要であることは読み取れる。
   「一般気象学【第2版】」の81ページ参照

(b)は「誤」。増加量が小さい。⇒増加量が大きい
 小さい水滴は速く成長するが、大きい水滴はゆっくり成長するので、やがて、雲粒の大きさは一様になってしまう
 「一般気象学【第2版】」の87ページ参照
 次の過冷却雲粒の捕捉による成長と勘違いしないように
「質量の異なる氷晶が過冷却雲粒を捕捉しながらそれぞれ自由落下するとき,単位時間当たりの質量の増加量は氷晶の質量が大きいほど大きい」 「氷粒子の質量が増加すると、その落下速度も大きくなるので、ますます多くの雲粒を捕捉する」
  「一般気象学【第2版】」の97ページ参照

(c)は「誤」。飽和水蒸気圧よりも大きい。⇒飽和水蒸気圧よりも小さい
 こんな図で説明している。


(d)は「誤」。周囲の気温が-20℃まで低下すると⇒周囲の気温が-33〜41℃の範囲で
 -20℃程度では自発的に凍結しない。
  「一般気象学【第2版】」の93ページ参照

正解は選択肢(3)である。
 (2013/05/29)

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