第38回気象予報士試験 一般問7
問7:
水平に移動する空気塊に働くコリオリ力の水平成分について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。
(a) 空気塊に働くコリオリ力の大きさは,その空気塊の質量に比例する。
(b) 北緯30°で東に20ms
-1で移動する空気塊と,北極で南に10ms
-1で移動する同じ質量の空気塊に働くコリオリ力の大きさは等しい。
(c) 空気塊にコリオリ力が働くとその速度が変化し,これに伴って空気塊の運動エネルギーが増加する。
(d) 南半球において南向きに移動する空気塊に働くコリオリ力は,東向きである。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(1) |
正 |
正 |
誤 |
正 |
(2) |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
(3) |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
(4) |
誤 |
正 |
正 |
正 |
(5) |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
解説:
(a)は
「正」。
コリオリ力は「単位質量の物体について」(
「一般気象学【第2版】」の135ページ参照)論じているので、その大きさは、質量に比例する。
(b)は
「正」。
コリオリ力は、f=2ΩVsinφで表される。(φは緯度)
・北緯30度で速度10なら、f=2Ω20sin30=20Ω
・北極で速度10なら、f=2Ω10sin90=20Ω
両者は等しい。
(c)は
「誤」。
コリオリ力は、方向変換だけで仕事量の変化はない。
「一般気象学【第2版】」の138ページ参照
(d)は
「正」。
コリオリ力は、北半球では進行方向の右向きに、南半球では左向きに働く。
「一般気象学【第2版】」の138ページ参照
正解は
選択肢(1)である。
(2013/05/30)
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