第38回気象予報士試験 一般問9


問9:
積乱雲に伴う下降流のうち災害を起こすほど強いものをダウンバーストという。
ダウンバーストに関する次の文(a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) ダウンバーストは積乱雲の成熟期または減衰期に発生しやすい。

(b) 下降流は,積乱雲中を落下する雨粒や大きな氷の粒子が周囲の空気を引きずり下ろすことによって発生し,氷粒子が融解して空気が冷却されることで強くなる。

(c) 雲底下の気層が乾燥していると,積乱雲から落下してきた雨粒が蒸発するので,積乱雲から流出する下降流は弱められる。

(d) ダウンバーストが地上付近に到達すると水平方向に向きを変えて広がるが,その広がりの大きさは4km を超えることはない。


 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  誤  誤
   (2)  正  誤  正  誤
   (3)  正  誤  誤  正
   (4)  誤  正  正  誤
   (5)  誤  誤  正  正


解説:
(a)は「正」
  成長期には、上昇流が強いので下降流は強まらない。
  中層から下降流がはじまる。この下降流の出現が成熟期の始まりである。「一般気象学【第2版】」の208ページより

(b)は「正」
 落下中の氷粒子が0℃高度を通過するさいには、融解して空気を冷やすので、下降流は強まる。「一般気象学【第2版】」の208-210ページより

(c)は「誤」
 雲低下の空気は飽和していないから、雨粒からの蒸発が起こり、空気を更に冷やす。下降流はますます強くなる。 「一般気象学【第2版】」の210ページより

(d)は「誤」
 ダウンバーストには2種類あり、マクロバーストは4km以上の広がりを持つ。
  ・水平方向の広がりが4km未満をミクロバーストという。風速75m/s程度で風速が強い。
  ・水平方向の広がりが4km以上をマクロバーストという。風速50m/s程度でミクロバーストより弱い。

正解は選択肢(1)である。
 (2013/05/30)

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