第38回気象予報士試験 一般問5


問5:
惑星の太陽からの距離と放射平衡温度との関係について述べた次の文章の空(a)〜(c) に入る適切な文字式や数値の組み合わせを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

太陽からの距離が d0 の点において太陽放射に垂直な単位面積が単位時間に受ける短波放射のエネルギーを S0 とすると,太陽からの距離がdの所にあって半径が r の惑星が単位時間に受け取る短波放射のエネルギーは,惑星のアルベドを A として,
      "0(1-A)πr2(a)
となる。
この惑星の表面温度は均一だとしてこれを T(K)とし,また表面で黒体放射が行われるとすると,惑星の全表面から単位時間に放出される長波放射のエネルギーは,ステファン・ボルツマンの定数をσとして,
       4πr2(b)
となる。
惑星が受け取る短波放射エネルギーと放出する長波放射エネルギーが平衡しているとし,この惑星の表面温度が 260K であるとすると,太陽からの距離が 2d の所にあってアルベドが A の別の惑星の表面温度は,(c)Kとなる。
なお,√2 = 1.414,3√2 = 1.260 とする。
 

 (a)
 (b)
 (c)
   (1)
 d0/d
 σT3
 184
   (2)
 d0/d
 2σT3
 206
   (3)
 d02/d
 σT4
 206
   (4)
 d02/d2
 σT4
 184
   (5)
 d02/d2
 2σT4
 184


解説:
(a) 放射強度は距離の自乗に逆比例して距離とともに減少する。
  これを式で表せば、「d02/d2となる。 
     「一般気象学【第2版】」の105ページ参照

(b) 放射強度は、Tの4乗に比例する。
  すなわち「σT4である。
     「一般気象学【第2版】」の111ページ参照

(c) 面倒な計算をしたくなければ、ここで整理してみよう。

 (a)
 (b)
 (c)
   (1)
 d0/d
 σT3
 184
   (2)
 d0/d
 2σT3
 206
   (3)
 d02/d
 σT4
 206
   (4)
 d02/d2
 σT4
 184
   (5)
 d02/d2
 2σT4
 184
この時点で選択肢(4)しか残っていない。
(a)と(b)に自信があれば、実際の試験場ではこのまま(4)に決めて、時間が余ったらあとで検証する方がよい。

太陽からの距離が2倍の惑星の放射エネルギーは(1/4)になるので、4倍すると等しくなる。
   4πr2σ2604=4×4πr2σT4
両辺の同じ定数を消すと
  4πr2σ2604=4×4πr2σT4
  T4=(1/4)×2604
  T=(1/√2)×260 ⇒ T=260/1.414=183.8

正解は選択肢(4)である。
(2013/05/30)

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