第38回気象予報士試験 一般問11


問11:
大気中の二酸化炭素について述べた次の文(a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 石灰岩,石油,石炭などに含まれている炭素が,すべて二酸化炭素として大気中に放出されたとすると,地上の気圧は数十気圧となる。

(b) 人為的な二酸化炭素の排出源が都市域に偏っていることから,都市域における大気中の二酸化炭素濃度の年平均増加率はそうでない地域よりも大きい。

(c) 大気中の二酸化炭素は,太陽放射の可視光線域をほぼ完全に透過し,地球放射をよく吸収する性質を持っている。

(d) 緯度帯毎に平均した大気中の二酸化炭素濃度は季節変化をしており,その振幅は赤道付近よりも北半球中高緯度の方が大きい。


 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  正  誤
   (2)  正  正  誤  誤
   (3)  正  誤  正  正
   (4)  誤  正  誤  正
   (5)  誤  誤  正  正

解説:
(a)は「正」
   二酸化炭素だけで大気を構成すると68気圧
   水と水蒸気でだけで大気を構成すると277気圧なので、合わせると345気圧になる
   「一般気象学【第2版】」の18ページ参照

(b)は「誤」
   大きな大気の流れで、全球的に均一化されているようだ。

(c)は「正」
   二酸化炭素の性質は、文章通り。

(d)は「正」
 二酸化炭素の季節変動は、植物の光合成による。
 北半球の中高緯度は陸地が多く植物が多いので、光合成の量も多く、その結果二酸化炭素濃度の季節変動が大きくなる。

正解は選択肢(3)である。
(2013/05/30)

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