第38回気象予報士試験 一般問6


問6:
北半球中緯度の自由大気中において,気圧P 1 の等圧面が図の等高度線( 実線)で表されるように分布し、気圧P2 (ただしP1<P2)とP1 の間の気層の平均気温が図の等温線( 破線) で表されるように分布している。自由大気中では地衡風が吹くとしたとき、気圧P2の等圧面上の風向として最も適切なものを、下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。
     (1) 南西、 (2) 北西、 (3) 南東、 (4) 北東、 (5) 南


解説:
この問題は、二つの気圧面(P1とP2)のうち、P2面の地衡風を求めている。
P1の地衡風は関係ない。P1<P2なので、P1が上層でP2面が下層になる。
与えられた図からP2面を割り出すことが最初の作業である。
P2面が解読できたら、高いほうを右に見て、地衡風の風向を答えれば良い。
まずP1面は、「平行な等高度線とは」の例で示した「北側に傾いた平面」『等圧面A』そのものである。

P2面形成の考え方のポイントは、温度差による層厚の違いに着目することだ。
平均気温が高ければ空気が膨張するので層厚は厚くなり、平均気温が低ければ層厚は薄くなる。
問題文から、西側が平均気温が低く(層厚が薄い)、東側が平均気温が高い(層厚が厚い)ので、東西の層厚の差の分だけ東側が厚い、すなわち西側よりも高度が下がることになる。
仮に、P1面における南北の高度差をh1とし、P2面における東西の層厚の差をh2(東が厚いので高度は低くなる)として図示すると次のようになる。


北半球の地衡風は、高い方を右に見て吹くので、地衡風の方向も図示した。
しかし、この図は、向こう側が下がっているので、二次元では表現しにくい。そこで、北を右手に見るように180度水平回転させて、見やすしたのが次の図である。

本質的にはなんにも変わっていないが、見やすくなったと思う。
と言うことで、正解は選択肢(2)である。
 (2013/06/11)

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