第38回気象予報士試験 一般問8


問8:
北大気の傾圧性について述べた次の文(a)〜(d) の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の(1)〜(5)の中から一つ選べ。

(a) 大気中の等圧面と等温面が交差しているときには,その大気は傾圧大気である。

(b) 等圧面図内の等温線の間隔が広いほど,大気の傾圧性が大きい。

(c) 西風が吹いている自由大気中において,どの等圧面においても低緯度側の気温が高緯度側の気温よりも高いときには,高度が高くなるほど地衡風は強くなる。

(d) 傾圧不安定波が発生するためには,南北の温度傾度が大きくなることに加えて,大気中に水蒸気が存在する必要がある。


 (a)  (b)  (c)  (d)
   (1)  正  正  正  誤
   (2)  正  誤  正  正
   (3)  正  誤  正  誤
   (4)  誤  正  誤  正
   (5)  誤  正  誤  誤


解説:
(a)は「正」
 傾圧大気は等圧面と等温面が交わるような大気といってもよい。
     「一般気象学【第2版】」の187ページ参照

(b)は「誤」
  等圧面上で温度の水平傾度が大きいとき、大気の傾圧性が大きいといういい方を気象学では良く用いる。
  等温線の間隔が広いとは、温度の水平傾度が小さいことを示すので、傾圧性は小さいことになる。
     「一般気象学【第2版】」の187ページ参照

(c)は「正」
   温度風の関係による地衡風の原理である。
     「一般気象学【第2版】」の145ページ参照

(d)は「誤」
 傾圧不安定波の運動エネルギーは、重い空気と軽い空気の位置エネルギーの差であり、水蒸気の有無は関係ない。一方、台風(熱帯低気圧)の運動エネルギーの源は水蒸気の凝結に伴って放出された潜熱である。
     「一般気象学【第2版】」の192ページ参照

正解は選択肢(3)である。
(2013/05/30)

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